ドラマ NO 1


densya_tsurikawa

シナジー・マネージメントの橋本です。

今回は、いつもとは違い ドラマ風にアレンジいたしました。

決して私の経験ではない事を御理解のほど 購読いただきたく

思います。

 総 武 線 物 語     作 橋本 靖彦

銀座勤務の彼は仕事が終わり成田空港行き 総武線快速に飛び乗った。

今日は大事な妻の誕生日だから。

カバンにはリボンの箱をしのばせて。

彼の家は市川駅近くのタワーマンションだ。

電車に飛び乗り ドア付近で立って様子を見ていると 一つだけ席が

空いている事に気が付き、座ろうか否か躊躇(ちゅうと)していると

おばさんに先を越されてしまった。

決して すごく座りたかった訳ではなかったので腹が立つ事もなかった。

電車が進むに連れて 降りる人も増え 錦糸町駅近くまで来ると

空席も ちらほら増えてきた。

ドア付近の端の席も空いたので躊躇する事なく座る事にした。

何も気にせず座った彼だが、隣に視線を伸ばすと 部活動を終えて

帰宅途中と思われる女子高生だった。

ひざの上にはカバンを抱え 左手には携帯電話を持ちながら

うたた寝をしていた。

携帯の画面も開いたままで 誰かにメールを打っている途中で

寝てしまったようだ。

ひざの上のカバンのファスナーの近くには Suicaの定期券。

横浜から佐倉の文字。

疲れはてているのか、爆睡に近い感じにも憶えた。

新小岩駅を通りすぎた頃だろうか、彼女の頭が私の肩を借りようと

している事に気が付いた。

もちろん 彼女は無意識である。

そっと肩を差し出すと小鳥のように停まったのである。

(まもなく 市川駅)

彼は小鳥を起こさないように 「停まり木」 に撤したのである。

船橋駅・千葉駅を通り過ぎても小鳥は起きる気配もない。

(まもなく 佐倉駅)

たぶん 彼女の下車駅。

そっと肩を揺らし 咳払い。

体勢を立て直して 再度 咳払い。

彼女は驚いた様子で周囲を うかがい 

一礼をして電車を降りたのである。

彼も彼女のあとに続き 下車。

彼女は改札へ。 

彼は反対ホームへ。

上りの電車を待つのであった。

何気なく カバンを見た瞬間  彼は凍りつくのであった。

トリコロールカラーのリボンが 角(つの)に見えたのである。


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